関節の構造と変形性側湾症
名古屋市緑区の整体『赤月堂』です。こんにちは。
前回の整体ブログ(※コラムの方ではない)で、
整体にフラクタル幾何学の考え方を足した内容を書きました。
途中から構造学の学習になりましたが(笑)
なぜ人体はあの構造なのか?人体は三つの個体が融合したような形態で、それぞれの基本形がなぜあの形になるのか?
※前回ブログのリンク→整体とフラクタル幾何学
で、今回は関節構造について書こうと思いました。
それと書いてるうちに骨の変形についても考え始めたのでそちらも書きました。
目録
関節の構造
関節って可動域に限界がありますよね。
例えば、肘は屈曲します。伸展もします。伸展するときの可動域はなぜあそこまでなのか?
膝や背骨、肩関節にもそれは言えます。
それは何故なのか?それを改めて考えてみました。
1.関節がズレやすくなる
まず伸展まで可動域が増えると関節自体はズレやすくなりそうです。その代わり、関節の自由度が増え、全身への衝撃も逃げやすくなりそうです。
ただ、関節がズレやすくなるのはかなり痛手です。体全体に対する衝撃には強そうですが、関節への負荷はデカくなると思います。
安定性も無くなるので、重力に対してより筋肉と脳が姿勢のバランスを取るために作用し、脳と筋肉に多大な負荷がかかりそうです。
伸展に可動域制限があることで、骨がズレにくく、脳や筋肉の姿勢制御の負担を減らせるのはかなりメリットがあります。
外力による衝撃も伸展が作用しなくても、屈曲で十分物理的エネルギーを逃がせます。
というとことは、メリットデメリット含めた結果、今の人体構造は理想的と言えます。
2.力をうまく発揮できない。
もし、軟体のように自由な関節だったら、筋肉がうまく出力できないと思います。
正確に言うと、ターゲットに対して的確に力を加えられない。
例えば、腰椎コルセットと骨盤ベルトどちらがいいか?迷わず骨盤ベルトを勧めます。
腰椎コルセットは幅が広いので、力が分散します。
一方骨盤ベルトは幅が狭いです。すなわち、固定したいところに対してしっかり力が作用します。だから、固定したいポイントを的確にサポートします。
関節が自由すぎた場合、それと同じようなことが起きます。
プラモデルを作るとき、小さいパーツを摘んで組み立てる。修理をするとき、道具を持って物を押さえて道具を使う。
こういった動作が簡単にできるようにするためには人体の関節自由度が高いと筋肉をしっかり働かせないとできません。
そうなると筋肉を余分に酷使してしまう。それはつまり筋肉に無駄な力が入りやすくなるということでもあります。
整体で言えば、痛めやすい体質の人を生み出す構造となってしまいます。
しかし、関節の片側に制限があれば、筋肉の出力は少しですみます。しかも、手に取った物の固定力がしっかりします。
この半分の自由と半分の制限が絶妙なバランスで関節を構築し、スムーズな動作、器用さを生み出してるのだと思いました。
なによりターゲットに対して、必要な筋出力と的確なベクトルで力を加えられるのは生活において重要です。
そして、これらの要因は身体の負担を減らすだけでなく、脳の演算処理の負担も減らしてくれる。
料理するだけで肉体的精神的疲労が溜まる体など、生き地獄だ。
3.構造の複雑化に伴うリスク
もし関節が逆側や多方向にも動く構造だったら、筋肉の数ももっと必要になります。神経や血管もそうです。(細胞も大変そう・・・)
また、神経や血管、内部の配置が複雑化することでしょう。
そうなると、重要な部分(損傷する部分)が増えると言うことになります。そして、複雑に内部を壊してしまう可能性も出てきます。それは間違いなく壊れやすさや負担に繋がります。
実際、現代の複雑化した機械は多種多様な機能がついてることで寿命が短いです。
人体も同じです。ゴチャゴチャと複雑性が増せば、それに伴うデメリットが生じます。
極端な例ですが、坐骨神経は後ろについてます。これが前にも横にもあったら大打撃です。どの角度からもその神経が切られたらおしまいです。もし人体に頚動脈が何本もあったら、確実にどこからでも相手を殺せます。
それは骨がどの角度にズレても痛みが起き、大変な状態です。
人体のパーツが多いと言うことは、脳が司令する箇所が増えると言うことです。そしてその状態で関節を自由に動かし、それを繊細に制御しようとすれば、脳への負担は今の倍です。
必要な栄養の摂取量も倍増させないといけません(笑)
4.まとめ
まだまだありますが、とりあえずここで区切ります。
まとめると、脳や筋肉への負担、肉体的精神的な疲労蓄積、怪我などの予防、生活に必要な動作、作業を考えると人体の関節構造は非常に適している。
骨の変形(変形性側湾症、変形性膝関節症)について
これらから推測すると変形はある意味一つの進化、いや、適応能力かもしれません。
『何かのために』必要だから、変形が起きてる可能性があります。
例えば、何かをおぎなうために。逆に言えば、その補わなければならない何かがなくなれば変形はまた変形して元に戻るかもしれません。
変形がある人は体に問題が多いので、進化というと変ですね。環境に順応して修正した結果と呼んだ方がいいかもしれません。
変形性と診断された方達と一般人に正直差はありません。同じ現象は誰にでも起きてます。
実際、ほとんどの人が背骨が曲がってます。歪みやズレという意味ではなく。真っ直ぐにしても少し曲がってます。それは生活環境でたどり着いた形なのだと思います。
つまり、それを形成した要因が生活動作にあり、その生活動作をするにはそうしないと生きていけないから発生するのだと思いました。
実のところ変形性のお客さんを施術すると大半がそこと違う箇所を調整すると痛みが減少します。
まるで、変形自体は痛みに関与していないように変化が起きます。
しかし、実際に施術すると限界がある人もいます。
変形性側湾症の痛みは意外と簡単に良くなっていきます。
が、
変形性膝関節症は良くなる人とほんのちょっとしか良くならない人、一時的にかなり良くなる人でハッキリ分かれます。
ただ共通点として、関係ない箇所に原因があり、そこを調整すると痛みが消えました。
なので、変形は何かを補い、負担を減らすために起きてるのではないかと私は思います。